グルメ・料理・レシピ関連本紹介します。
吉田 健一

旨いものはうまい

旨いものはうまい 人気ランキング : 34931位
定価 : ¥ 714
販売元 : 角川春樹事務所
発売日 : 2004-10
発送可能時期 : 通常3〜5週間以内に発送
価格 : ¥ 714
イギリス文学の大御所の食文化論

 このシリーズは「グルメ文庫シリーズ」と帯がつけられているが、私は「グルメ」と聞くと、拒絶反応を持つ方の人間である。
 「グルメ」=金にあかせた美食家、もしくは、似非セレブ問う印象があるからだ。
 著者は、そうした実体を伴わない、見てくれだけの人間を批判して来た人だから、彼のかく「旨いものはうまい」というのは、既存の概念や先入観、一般的な反応を一度否定した上での評価であると思う。
 変に「通」ぶらずに、些細なものにも「旨さ」を見つける見識に乾杯である。

ダンディズム

大岡玲氏も全集の解説に載せていたが、吉田健一には反逆、反抗、ルサンチマンを感じる。
19世紀的な観念的栄達主義を叫びたいならば、脳味噌にメスを入れれば良い、
あるいは原爆で人類を絶滅させれば良い。
生まれてきたからには、幸せに生きるのが一番だ。
文章を書くにしても、旨いものはうまいと言っているのが幸福である。
三島由紀夫が晩年の永井荷風を見て「青年のミイラのようだ」と言っていたが、
吉田健一はミイラにはならず、ダンディになった。
文章に好き嫌いはあるだろうが、ロマンティックだったり、
ダンディが好きな人には是非ともお勧めです。

『グルメ・料理・レシピ関連本紹介』はAmazon.co.jpのサービスによって実現されています。
Copyright 2005 グルメ・料理・レシピ関連本紹介 All rights reserved.